恋の道
深井 了
カット 後藤必
私は夢を見ていたのである。何故なら、その部屋は非常に暗かったからである。部屋の中には何人もの女の子がいた。フーコもいた。フーコとは永い間のつき合いで、さっきも顔を合わせていた時は、前歯を二本出して笑ってみせた。その他に、二、三人美しい子もいた。桃色や黄色の服を着ている。フーコは青色の服を着ていた。私はフーコと踊ろうと思っていた。
家の中は、暗さの中でゴタゴタしていた。蓄音機のまわりに男達が集まっている。私も集まっていたが、私は女の子達のつっ立っている隣の部屋を見ていた。みんな、薄い影で、みんな線のように細かった。ただ、フーコだけが近くにいて私に笑っていた。
踊りが始まると言いながら、踊りはなかなか始まらなかった。何故なら、女の子たちは、みんなこちらの部屋に引き上げて来てしまっていたからである。ただ、細い、ピンクの服を着た石川さんだけが隣の部屋にいた。何か彼女に悪いような、かわいそうな気がして、私は隣の部屋に行って踊ろうと言った。
彼女は笑って、踊りを教えてくれることになった。実際、私は踊りを知らなかったのだ。音楽が鳴っていたので、彼女は大きく手を上げて回るステップを私に教えてくれた。ステップが大きく、私は常に彼女の足の角度とずれてしまった。彼女に悪いような気がした。隣の部屋のみんなが立って飲んでいるバーになっているところにぶつかりそうになった。私は本当に悪いような気がして、彼女の顔を見た。幸い、誰もこの部屋では踊っていなくて、襖間の向こうの部屋にいた。私はキスしようかと言った。彼女はうれしい顔をして、私の顔に自分の顔を引きよせてきた。私は彼女の肩を抱いたが、ほんの瞬間しか唇を合わせることが出来ず、私の舌の先がちょっと彼女の唇の間に入っただけだった。しかし、二人は非常に愛した気になり、私は本当に彼女が愛しくなった。
彼女は細く、痩せていて、彼女の足は、線のような細さであった。それが、丸く円を描いて一生懸命に動いているのだ。私は悲しくなってもう踊れないと言った。彼女は奥の灯りのついていない部屋に行こうと言ってくれた。私達はそこでもう一度キスをして抱き合おうと思っていたのだ。私達は互いの肩に手の平をのせ合って、互いにかばい合うように、その部屋の暗さの中に消えようとした。すると、元居た部屋の隅から、